2019.09.04

薬草のすすめ

よもぎ 《薬草のすすめ 第1回》

爽やかな香りが食べてよし、飲んでよし。様々な使い方や効能がある和製ハーブの代表。

身近で効能豊富な“薬草の女王様”

よもぎ【艾・蓬】
科目:キク科
採取時期: 暖かい地域…3~5月 / 寒い地域…4~6月
採取場所:道端、あぜ道、草原、土手、空き地などの日当たりのよいところ。
主な効果:
止血、造血、浄血・増血、痛み止め、冷え性改善、整腸作用、便秘、安産作用、免疫力向上、殺菌、肌荒れ防止
爽やかな香りと鮮やかな緑色が特徴のよもぎは、私たちにとって最も身近な薬草のひとつです。日光さえ当たれば、どんな荒れ果てた地でも育つ優れた生命力を持ち、自然の少なくなった現代でも道端や土手などで元気に自生する姿をしばしば見ることができます。

そんな身近なよもぎですが、「薬草の女王様」と呼ばれるほどたくさんの効果効能を持ち合わせるているのをご存じですか?

特に女性に嬉しい薬効が豊富で、浄血・増血作用、貧血予防、冷え性改善など美容と健康に嬉しい効能がたくさん。また使い方や活用法のバリエーションもとても多く、「食べて良し、飲んで良し、付けて良し、浸かって良し、燃やして良し」。

生活習慣や好みに合せて、様々に工夫して摂り入れられるのも魅力です。




中央が「オウシュウヨモギ」。30種以上あるよもぎは、品種によって成分や効能が少しずつ異なる。

月の女神にゆかり?世界のよもぎ

漢方や生薬の世界で、よもぎは「艾葉(がいよう)」の名で知られ、中国の文献によると「艾」とは「疾(やまい)を艾する(止める)」の意味があるとされています。

またアジア圏のみならず、西洋のハーブ文化でもよもぎはしっかりと根付いています。ヨーロッパに自生するよもぎは「オウシュウヨモギ」「ニガヨモギ」などと呼ばれるもので、日本のよもぎとは風味も見た目も少し違いますが、効果効能が豊富なのは全くおなじ。

よもぎの学名「アルテミシア」は、特に女性に嬉しい効果を多く持つことから、月の女神アルテミスにちなんでその名が付けられたと言われています。




よもぎエキスの効果だけでなく、爽やかな香りが気分をリラックスさせてくれるよもぎ風呂は、大衆浴場の薬湯でも人気。

週1回の「よもぎ風呂」でデトックス

食べるだけでなく、乾燥させた葉を煎じてお茶にしたり、生の葉で湿布をつくったり。よもぎの効果を摂り入れる方法は多くありますが、簡単でおすすめなのが「よもぎ風呂」です。

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《よもぎ風呂の効果》
●健康効果
よもぎには体の温め効果、冷え性改善、血行促進、デトックス効果、副交感神経の活性化などの働きがあると言われています。またよもぎの香り成分の1つであるシオネールには、脳神経を鎮静化させる働きがあるので、ゆったりリラックスしたい時にもうってつけです。

●美容効果
新陳代謝を高めることで、肌のくすみや黒ずみの解消を助け、シミの予防、皮膚トラブルへの効果も期待できます。また優れた殺菌・抗菌・消炎作用があるため、切り傷やニキビ、あせもなどにも効果があると言われています。

《作り方》
●生の葉っぱの場合
鍋に水を入れ、10本程度のよもぎを細かく刻んで入れ、5~10分しっかりと煮出します。
この煮汁をお風呂に入れて完成。

●乾燥した葉っぱの場合
ティーバッグや洗濯用ネットなどに30g程度入れ、そのままお風呂に浸して完成。
※お風呂の大きさや好みに応じて濃さを調節してください。

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特に寒い時期は、体温が下がって様々な不調に悩まされがちです。そんな季節こそ、活用しやすいよもぎの多彩な効能を美容と健康に役立てたいですね。




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