2019.05.23

食と栄養

自家製生活のすすめ

冷蔵庫を開けると、放ったらかしの食品の数々……こんなに日持ちするって、本当に自然?

まずは、気軽に作れるものから!

ある日、冷蔵庫を開けて目にとまった、調味料や瓶詰めなどの「いつもの」食品。何でこんなに賞味期限が長いんだろう。気になり出すと答えがほしくなります。


市販品を調べてみてわかったのは、どの食品にも賞味期限があり、ものによっては極端に長いということ。

また、その食品を作るのに必要と思われる材料以外のものがけっこう入っているということ。

保存料や着色料、役割がわからないものもずいぶんあります。これらは、本当に必要なのでしょうか。


自分で作れば何が入っているかわかるから安心、味も自分たち好み。それに、食べられる分だけ作る、多めに作って何日か楽しむなど、量の調整もできます。

でも、何日もかかるものや、いくつもの工程があるものには手を出しづらい。それに、失敗したらその後やる気がなくなりそう……。


ということで、すぐに食べられる、初心者向けの2品のレシピをご紹介。さあ、楽しい「自家製生活」のはじまりです!




ひたすら油、酢、卵黄を混ぜまくる工程は、家族で変わりばんこにやったりと、楽しいひとときになるかも。

とにかく混ぜる!『マヨネーズ』

[材料]
卵黄     1個
塩      小さじ1
マスタード  小さじ1
オリーブ油  60〜70㏄
(または好みの植物油)
酢      小さじ1 ~ 大さじ1
(好みに合わせて)

[作り方]
1. ボウルの中に卵黄、塩、マスタード、酢を入れて撹拌する。
2. オイルを少量ずつ加えながら、トロリとするまで撹拌する。

[保存期限]
密閉容器に入れて冷蔵庫で3日

[自家製ポイント]
油と酢を卵黄の力でつないで乳化させるのですが、かき混ぜ方が足りなかったり、油を一度にたくさん入れてしまうと、分離してサラッとした液体になってしまいます。

油は少量ずつ細く垂らしながら、ボウルの中身は一定速度を保ちつつ、ひたすら混ぜ続けなければなりません。思った以上に入れる油が多い……!これも作ってみて初めてわかったことです。




ソーセージは作ってみたいけれど専用の道具や羊腸を用意するのは少しハードルが高い……でも、腸に詰めないやり方で簡単に作れるんです。

腸に詰めなくてもちゃんと『ソーセージ』

[材料]
豚バラひき肉     500g
塩          大さじ1
ブラックペッパー   適量
セージ、ローズマリー 適量
オリーブ油      適量

[作り方]
1. 豚バラひき肉は、作り出す前に冷蔵庫からボウルに出して常温に戻しておく。
2. ボウルに塩、ブラックペッパー、セージ、ローズマリーを加え、手でよく混ぜ合わせる。
3. 適当な大きさに分けてプライパンで平たく伸ばしながら焼き、粗くほぐす。

[保存期限]
冷蔵庫で2~3日

[自家製ポイント]
ハーブは肉の臭みを消すだけでなく、保存性にも一役買っています。天然のもので〝もち〟のよいものを作れることにも驚きです。冷蔵庫で2〜3日もつので、いろんな料理に使えそうです。


●実際に作ってわかった「自家製」の良さ●
今回紹介した食品は、市販品のようには長くもちません。でも、これが自然なのです。

私も実際このレシピを作ってみて、おいしく安全に食べきる、または食べきれる量を作ることが大切だと感じました。

そして、家族に食べさせるものならなお、生の食材からすべてを確かめながら作ること、何を使い、どのように作るのかを知ることは、食品表示や産地以前に安心の基本だと実感しました。


それにしても、今までいかに市販品の味をその食品の味だと思い込み、「こういうもの」と決めつけていたことか。

作ってみないとわからない本来の味、料理のヒント、暮らしの知恵、科学の知識、その他たくさんの気づき……。これらすべてが、「自家製生活」の収穫でした。


<2016年 春号 Vol.32 25-30ページ掲載>




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