2018.09.19
食と栄養
捨てない料理 ~秋の食材をおいしく使い尽くす~

料理のとき、当たり前のように捨てていた、あれ。本当はおいしくて、栄養満点なのかもしれません。
捨てる部分にも栄養あり
下ごしらえを終えてシンクを見わたすと、そこには〝野菜くず〟がいっぱい。けれど、それはゴミではありません。
たとえばニンジンや大根、ジャガイモなどの根菜類は、中身より皮のすぐ下のほうが栄養分が多いのです。
また、キャベツや白菜などは、内側の白い葉より、捨ててしまいがちな外葉の部分は、太陽の光をたっぷり浴びて光合成も進み、栄養もあります。
工夫して食べられるのなら、捨てずにどんどん利用しない手はないですよね。
たとえば、切り干し大根やぬか漬けなど、昔から伝わるものは野菜を皮ごと使っています。
昔の人たちは、食材を無駄なく食べ尽くすことが、おいしくて、からだにもいいことを経験的に知っていたのでしょう。
捨てるものが減るとなれば、エコにもつながります。いいこといっぱいの、〝捨てないたのしさ〟──。
季節ごとに旬の食材を取り上げながら、捨てずに、おいしくいただく知恵や工夫を紹介していきます。

シイタケの軸は、端の「石突き」の部分をむしるように取り除くだけで、あとはまるごとおいしく食べられます。
秋の風味満点!シイタケの軸の炊込みごはん
● 材料(2人前)
米 2合
シイタケの軸 8個分
だし汁 適量
酒 大さじ1
みりん 小さじ1
醤油 大さじ1/2
昆布 5センチ四方1枚
油揚げ 1/2枚
○作り方○
①石突きを取ったあとのシイタケの軸を手で細く裂き、油揚げは熱湯をかけて油抜きし、軽く焼いてから刻みます。
②米を研ぎ、炊飯器に米と調味料、水を入れて2合の目盛りに合せ、シイタケの軸、昆布を入れて炊きます。
③炊きあがったら昆布を取り出し、混ぜあわせて器に盛ります。
シイタケの軸の部分は風味があって、食感もよく、ビタミンB群も豊富。
それでも煮物など、かさの部分だけを使いたいというときは、軸は細かく刻んで密閉容器に入れ、冷凍庫に保存しておくと、炒め物に投入したり、お味噌汁やスープの具として重宝しますよ。

ブロッコリーの茎の部分、捨てている方も多いのでは?実は、カロテンやビタミンCが豊富な、捨てるにはもったいない代物なんです。
ごちそうになる!ブロッコリーの茎の肉巻き
● 材料
ブロッコリーの茎 1個分
豚バラ肉 6枚
塩・コショウ 少々
サラダオイル 少々
片栗粉 少々
○作り方○
①ブロッコリーの茎は硬い皮をむいて、スティック状に切り、塩を少し入れたお湯で軽く茹でます。
②広げた豚肉の両面に塩・こしょう、内側に片栗粉をまぶします。
③ブロッコリーの茎に豚肉を巻き付け、サラダオイルを敷いたフライパンで、転がすようにしながら、全体をこんがり焼きます。茎のほくほくした食感がいいですよ。
硬い茎の部分ももちろんおいしく食べられます。
炒めてOK、茹でて薄切りにすれば、サラダや和え物にも。ポイントは厚めに皮をむくこと。
甘みがあってやわらかく、驚くほど美味です。
<2014年 夏号 vol.25 26ページ掲載>
<2014年 秋・冬号 vol.26 29ページ掲載>