2020.04.14

食と栄養

5色の食材と栄養素

食材の持つ色の役割を知ることで自分に必要な栄養を効率よく摂取することができます。肌トラブルに悩む方には、赤の食材がおすすめ。

5色の食材の健康効果

「最近どうも疲れが取れにくい」「肌の調子がよくない」「風邪をひきやすくなった」……。そんな不調が気になるとき、まずは食生活を見直すことが大切です。

食材に含まれている、からだを元気に保つ栄養素は色によって分けられています。

つまり、それぞれの色(栄養素)の役割を知ることで、自分の体調に応じた食生活の管理をすることができるのです。

今回は、食材の色を赤・黄・緑・紫・白の5色に分け、注目したい栄養素や効果について取り上げてみました。

○美容の赤
美白・美肌を促す栄養素がたっぷり含まれています。紫外線による細胞へのダメージを防ぎ、シミやそばかすができるのを抑えてくれるはずです。

[トマト]
トマトに豊富に含まれる「リコピン」は、活性酸素を取り除く抗酸化作用がビタミンEの100倍とも言われ、肌を若々しく保つ効果も抜群です。

[鮭]
鮭に含まれる「アスタキサンチン」は、紫外線を浴びることで体内に増え、老化の原因とも言われる活性酸素を取り除きます。美白や美肌には欠かせない栄養素です。

その他の赤色の食材:
スイカ、赤パプリカ、イクラ、金目鯛、など




「風邪をひきやすい…」という方は黄色、「最近疲れが取れなくて…」という方は緑色の食材を意識して食べるようにしましょう。

予防の黄、疲労回復の緑

○予防の黄
細胞を元気にして、病気と闘うための免疫力を強化する効果が期待できます。また、肌の乾燥を防ぎ、うるおいをもたせる作用も。

[ニンジン]
細胞を活性化し、免疫力のバランスを整えてくれるβカロテン。ウイルスの侵入を防ぎ、風邪をひきにくいからだを作ってくれます。

[大豆]
女性ホルモンに近い働きをすると言われる大豆のイソフラボンには、免疫機能を高める効果がある他、骨を強く元気にすることにも役立ちます。

その他の黄色の食材:
トウモロコシ、カボチャ、レモン、ぎんなん、など


○疲労回復の緑
緑の色素を持つ野菜や果物には、疲労回復効果の高い栄養素が豊富に含まれています。

[キウイ]
カリウムを多く含むキウイは、代謝を促し、老廃物をからだの外に追い出すのを助けてくれます。体内の水分や塩分のバランスも整え、元気を取り戻させてくれます。

[グリーンアスパラガス]
グリーンアスパラガスには、疲労回復やスタミナアップに欠かせないアミノ酸の一種、アスパラギン酸がたっぷり含まれています。

その他の緑色の食材:
モロヘイヤ、ブロッコリー、おくら、レタス、など




紫の食材は血液の巡りに、白い食材は体力・活力に。バランスよく摂取することで、食材同士の相乗効果も期待できます。

血行促進の紫、滋養強壮の白

○血行促進の紫
血行をよくする効果があります。また、高い抗酸化作用があるので、細胞が元気になって新陳代謝が活発になり、美肌づくりにも役立ちます。

[ぶどう]
ぶどうに含まれるレスベラトロールは、活性酸素を取り除き、血液がスムーズに流れるのを助けます。お酒が好きな方には赤ワインもおすすめ。

[紫キャベツ]
紫キャベツに多く含まれるビタミンKは、血流に働きかけ、健康維持に役立ちます。また、骨の中にあるたんぱく質を活性化させる働きもあり、強い骨を作るサポートも。

その他の紫色の食材:
ナス、ブルーベリー、紫芋、赤シソ、など


○滋養強壮の白
白い食材には、血液をサラサラにするだけでなく、滋養強壮・疲労回復など、からだを元気にする効果が秘められています。

[にんにく]
にんにくに含まれるポリフェノールは、からだをサビさせる活性酸素を取り除く作用があると言われています。そして、細胞を若々しく保ったり、血行をよくしてからだの隅々にまで酸素や栄養を運ぶのに役立ちます。

[たまねぎ]
たまねぎ特有の香りと辛みのもと、アリシンは、疲労回復によいビタミンB₁の吸収を高めたり、血液の流れをスムーズにしたり、強いからだづくりをサポートします。

その他の白色の食材:
かぶ、カリフラワー、ネギ、レンコン、など


赤・黄・緑・紫・白——食材の色に秘められた、からだが喜ぶ健康効果。
食材の色を意識しながら、効率的な栄養摂取とバランスの良い食事を心がけましょう。


<2014年 夏号 Vol.25 18-21ページ掲載>




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