2020.05.12

災害に備える

簡易トイレを備えよう

災害時、食べ物不足、飲み物不足と同じくらい問題なのが「トイレ」。もし災害でトイレが使えなくなったら……と想像すると対策の重要さがわかります。

災害時はトイレ対策が重要

災害時にはあらゆるライフラインに支障が出る可能性があります。特に、地震が発生した際には、電気やガス、そして水道管が破壊され断水する危険性も。

そうした場合に備え、しっかりと準備しておきたいのが “トイレ”です。空腹やのどの渇きは、ある程度ならば我慢できます。しかし、トイレはそうはいきません。

その上、普段の生活とは違う緊張感などから、災害時にはトイレに行きたくなる回数が増えることが考えられます。

その時問題となるのが「しっかりと対策をしていない状態でトイレに行くこと」。


日本の多くは水洗式のトイレを使用しています。避難所などの公共の場所を含め、断水してしまうと使用することができなくなったり、様々な制限がかかることも。

そうなると、なるべく用を足さずに済むようにと我慢したり、水や食事を控えるようになったりと、大変危険な悪循環に陥ってしまいます。


ライフラインが復旧するまでの数日間も安心して用が足せるように、自治体などだけに頼らず個々でしっかりと対策しておくことが重要です。

非常用の備蓄を見直して、普段と同じように快適にトイレを使用できるようにしておきましょう。




災害用にも役立つ「簡易トイレ」は備蓄に場所を取らず、持ち運びも軽くて楽。市販のものだけでなく、家にあるものでも簡単に作成ができます。

非常用トイレを備えよう

災害などの際役に立つのが、非常用に作られた「簡易トイレ」です。使い方は、自宅のトイレに設置するだけ。

市販のものは、抗菌性凝固剤や吸水ポリマーが付属していて、水を使わずに排泄物を固めて処理できます。

備蓄は家族の人数に合わせて備えたいところ。例えば、成人は1日4回~8回の排尿が平均回数。

1週間分蓄えるとすると、一人あたり約30回分は必要となります。外袋に「1パック何回分」との記載があるので、それを目安に備えておきましょう。


問題は、市販の簡易トイレを「使用できなくなったら」。

例えば、便器が破損したり、簡易トイレを使い切ってしまったり……。そんな時のために、身近な材料で簡易トイレを作る方法を知っておくと便利です。


〈簡易トイレを自作してみよう〉
〇材料
 ・便座を覆えるくらいのゴミ袋(中身が見えない黒色がおすすめ)
 ・新聞紙
 ・段ボール、バケツ(便器が使えない時のために)

〇作り方
 ① 便座(または段ボール、バケツ)にビニール袋を被せる
 ② ビニール袋の中に丸めた新聞紙を入れる(新聞紙が吸水の役割をしてくれます)。

 使用後は、ビニール袋の空気をできるだけ抜き、しっかりと密閉するよう結びましょう。
 専用の抗菌性凝固剤や防臭剤を使用することでよりストレスなく使用することが出来ます。




汚れや臭いは継続的なストレスに。また、感染症の一因にもなり得ます。トイレの備蓄と一緒に清潔な状態を保つためのアイテムも備えましょう。

簡易トイレと一緒に備えて安心

簡易トイレを準備したら、その衛生面を保つ方法も知っておきましょう。トイレ周りを普段と同じくキレイに保つことで、災害によるストレスを軽減できます。

〇使用済み簡易トイレ(汚物袋)は密閉して保管
ビニール袋を固く結んだあと、密閉できる容器に入れましょう。衣装ケースや子供のおもちゃ箱、断水時には空の浴槽の中に入れて蓋をすれば臭いを閉じ込められます。

〇トイレットペーパーやウェットティッシュ、消毒用アルコールも忘れずに
簡易トイレは備えていても、忘れがちなのがトイレットペーパーやウェットティッシュ。特にウェットティッシュは、手洗いの代わりや便座を拭くのにも応用できます。
また水が使えない時は手指消毒用アルコールも便利です。

〇緊急事態だからこそハンドクリームで保湿
断水すれば、どれだけ衛生面に気を配っていても普段の生活よりも手などが汚れやすく、荒れやすくなります。ストレスの多い緊急事態こそ、意外とハンドクリームは重宝します。



災害時のトイレ対策は、心身の健康に関わる“衛生面”を保つための備えです。

しかし、非常食などと比べ、簡易トイレを備蓄している家庭はまだまだ少ないのではないでしょうか。

食べ物や飲み物などの備蓄に加え、トイレをはじめとする衛生面を保つための生活備品の備えも定期的に見直してみると良いですね。




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