2020.06.30

災害に備える

非常食にもぴったりな《乾物》を備えよう

日常的に使うことの多い乾物は、保存性、利便性、栄養面など様々な理由から非常食・防災食にも適しています。

非常食・防災食として優秀な乾物

非常時の食事や備蓄食は、ごはんやパンなどお腹に溜まりすぐにエネルギーとなる主食にどうしても偏りがちですが、それだけでは補えない栄養素も多くあります。

しかし、様々な状況が普段とは違うなか、バランス良く様々な食品を蓄えておくのはなかなか難しいですよね。そこで、非常食として備えたいのが「乾物」です。

乾物とは、野菜や海草類、魚介類や肉類などを長期間保存できるように乾燥させたもの。乾物はそもそも常温保存ができて手に入れやすく、調理の際に包丁などの道具が必要ないことから、非常食・防災食としてとても適している食品の一つです。

加えて、乾物は普段の食事に活用する機会が多いため、食べた分だけ買い足して備蓄する“ローリングストック法”で常に新しいものを備蓄しやすい点、場所を取らずに多彩な食材を確保しておくことが出来る点も優れています。

また、乾物のように日常的に調理することの多い食材は、非常時の調理についてもイメージがしやすく、毎日の食事がそのまま「食の防災訓練」になるとも言われます。




乾物の最大の魅力は、その豊富な栄養素。天日に干すことで、どの乾物も生の状態の時と比べものにならないほど栄養価が高まります。

食物繊維やビタミンなど驚くほど栄養たっぷり

乾物が非常食として優れている最大の理由は、なんと言っても栄養豊富ということです。

乾物は、天日で乾燥させることで、うまみや香りだけでなく、生の状態に比べ栄養価もぐんと増しています。

例えば、普段の食事でも馴染み深い「切り干し大根」は、生の大根と比べて食物繊維は約16倍、カルシウムはなんと22倍に。

ビタミン類や鉄分なども同じく大幅に増加します。ひじきや干し椎茸、昆布や海苔、そして高野豆腐といった一度は食べたことのあるこれらの乾物も同様に、ビタミン類やミネラル、カルシウム、そして食物繊維など様々な栄養の宝庫です。

これらの乾物は、非常時は特に摂りにくく不足しがちな野菜の代わりとして、栄養の偏りを防いだり、スムーズな便通にも一役買ってくれるでしょう。

また、低カロリーでありながら、少量でも栄養満点の乾物は、日々厳しいトレーニングをするアスリートや美容に敏感な女性からも注目を集め活用されているそうです。




非常食としてはもちろん、あと一品加えたい時やおつまみにも最適です。栄養価が高く、ビニール袋があれば洗い物もほとんど出ません。

非常時も美味しくアレンジ!乾物を使った簡単レシピ

缶詰などの加工品とは違い、調味されていない素材そのもののものが多いため、色々なアレンジが可能な乾物。包丁がいらない、火を通さなくても良いため調理時間が短く、誰にでも簡単に作れるレシピが豊富なのも魅力です。

ここでは、少ない材料で、美味しく栄養満点な乾物を使ったレシピをご紹介します。

◆5分で完成!切り干し大根とツナ昆布サラダ(2~3人分)
[調理時間]
5分
[調理器具]
ボウル、またはビニール袋
[日持ち]
2~3日
[材料]
・切り干し大根……30g
・塩昆布……10g
・ツナ缶(オイル漬け)……1缶
・海苔……適量
a ごま油……大さじ1
a 鶏ガラスープの素……少々
a 粗挽き黒胡椒……少々

(1)切り干し大根を少量の水でもみ洗いし、ザルに上げる。
(2)ボウル、またはビニール袋に(1)とツナ缶1(オイルも含め1缶すべて)、塩昆布とaの調味料すべてを入れ、よく混ぜ合わせる。
(3)海苔をちらして完成。



栄養満点の乾物は、非常時に限られたものしか食べられない中で効率的に様々な栄養素を摂れる頼もしい食材です。

素材の味を生かして、和食だけでなく洋食にも美味しく活用できますので、色々なレシピに挑戦し、レパートリーを増やしながら非常時にも備えたいですね。


twitter facebook LINE Instagram

こちらのページも一緒に読まれています