2018.08.30

食と栄養

もしものときのサバイバルキッチン

地震に台風、自然災害が多い昨今の日本。起きてからでは遅いかも……今日からでも、来(きた)る災害に備えましょう!

備えておきたい台所用品

地方、都心に限らず、災害時こそ、食べて体力をつけることが大切。

そこで今回は、ガスや電気、水道が止まった時に役立つ調理方法や、あると便利なものを調べてみました。
まずは基本的な道具から紹介します。

◆食品◆
①保存期間が長い
②常温でもおいしい
③スペースをとらない
④栄養面に優れている
⑤どんな食材にでも合う
が非常食品を選ぶポイントです。

・水
水飲用として1人1日2リットル程度必要

・米
無洗米があると研ぐ水を節約できます

・野菜ジュース
不足しがちな野菜の代わりに

・缶詰
缶切り不要タイプが便利

・レトルト食品
外箱からレトルトパックを出しておくと、省スペースに

・乾物
ワカメ、切干大根、寒天、ごま、のり、乾麺、ダシ代わりにもなるこんぶ茶など

◆調理用品◆
非常台所用品はほとんど普段から台所に置いてあるもので網羅できます。

・ポリラップ
食器に敷いて洗い物を減らします

・アルミホイル
鍋に敷いて調理したり、成型しやすいのでそのまま器としても利用できます

・ポリ袋・ジップロック
鍋や食器の代わりにも、手袋の代わりにもなります。大小あると便利

・クッキングシート
フライパンに敷いて洗い物を減らします

・カセットコンロとカセットボンベ
ガスが止まった時に必要

・使い捨てカイロ
食品を温めます

・新聞紙
簡易食器が作れます

・断熱シート
防災用シート



いつもは必要な分しか買わないものを、買い置きをする感覚で多めに買っておくだけで、災害時の調理が便利になります。

災害日からの日数で食べるものが変化します

ガス、電気、水道すべてが使えないこの状況は災害発生当日~3日目に起こりえます。それから徐々に電気等が回復していきますが、栄養状況が変わり補給すべき栄養も変化していきます。

災害時は食べるものをバランスよく変化、追加させ、体調を管理しましょう。

災害当日~3日目
食事よりも優先することが多く、調理する時間も余裕もない場合があります。すぐに食べられる缶詰などが重宝します。

災害から4日後以降
少し落ち着き、電気が回復する地域も出てきます。この頃やっと、レトルトや乾物を使って調理をする余裕が出てきます。ただし水が使えない場合も多いため、洗い物が出ないように工夫を。

災害から数週間以降
栄養不足が気になり始めます。野菜ジュースや豆類、栄養補助食品などの出番です。同じ食べ物ばかりを食べることによるストレスも出てきますので、できる限り備蓄食品の種類は多めに揃えておきます。



災害時、必要なのは「体力」。ゆっくりと調理をする時間はとれないかもしれませんが、しっかり食事をしておきたいところです。

サバイバルレシピでしっかり食事

電気が止まってしまった場合、災害時の天候、気温が生活を左右します。体調のためにもなるべく、温かいものを食べたいもの。

最後に災害時に役立つサバイバルレシピを紹介しますので、もしもの時のためにイメージをしてみてください。

温かい食事を作る
お湯をつくりたい時も、この方法で作れます。

用意するもの
・レトルト食品
・使い捨てカイロ
・断熱シート

作り方
① レトルト食品に使い捨てカイロをくっつけます。
② ①を断熱シートでくるみ、温めます。

※食品の種類や気温によって、人肌くらいまで温まるのに30〜60分かかります。

ポリ袋でお米を炊く方法
ポリ袋を使えば、少しの水でお米を炊けます。少しずつポリ袋に入れて炊くのがコツ。

用意するもの
・米もしくは無洗米(1/2 カップ) 
・水(1/2カップ)
・ポリ袋

作り方
① 米を分量外の水でもみ洗いし、研ぎ汁を捨てます(無洗米の場合はもみ洗い不要)。
② しばらく置いて吸水させた後、水を入れ、袋の空気を抜いて結びます。
③ コンロで鍋に湯を沸かし、②を入れて湯の中で約10分加熱、火をとめて10分蒸らします。
※沸かした湯は、キッチンばさみや哺乳瓶などの簡易煮沸消毒に再利用することもできます。


<2016年 秋・冬号 vol.34 31-34ページ掲載>

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